【輸出入・海外進出、成功のためのQ&A】

以下に示しましたQ&Aはごく一般的な基本知識です。

貴社の商品について具体的に確認したい場合は、どうぞお気軽にお問合せくださいませ。

Q1.

  現在取引を検討している外国の会社があります。

  その会社の信用度について調べる方法を教えてください。

A1.

取引先の信用度をチェックする際は、さまざまな角度から多面的に情報を収集することをおすすめします。チェックポイントとして以下のような点があげられます。

1. 取引先のウェブサイトをよく見る。(会社概要、連絡先、製品情報、最終更新日時等)
2. インターネット検索情報を活用する。(その製品、会社の相手国での認知度等)
3. E-mailの状況から判断する。(メールアドレスが法人にふさわしいものか、コミュニケーション能力、文体の丁寧さなど)
4. 直接電話をかけてみる。(企業名を名乗っているか。組織としての対応をしているか。)
5. リファレンス(信用照会先)を知らせるよう依頼する。(リファレンスに挙げられた取引先、取引銀行、業界団体等にメールや電話で確認)
6. 信用調査サービス会社を利用する。(企業概要、信用格付け、財務情報等のチェック)

Q2.

商品を輸入販売する際には商品代金の他にどのような費用がかかりますか

A2.

ご参考までに、海外から直接商品を仕入れるにあたってかかる主な諸費用を以下に列挙しますの。

(1)商品の仕入れ価格

(2)輸送費

(3)輸送保険費

(4)関税

(5)消費税

(6)輸入通関諸費用

(7)通信費

(8)決済関連手数料(送金手数料等)

必要経費を把握するためには、相手の会社から商品代金や輸送費などの見積りをきちんと取っておく必要があります。貨物便で輸送した場合は、空港や港からの国内運送費用は別途必要となります。

また、見落としがちなのが検査費用です。

商品によっては国内他法令に基づく検査が必要な場合があり、これらの費用は輸入者の負担になりますので、注意してください。

Q3

  関税率にはさまざまな種類があると聞きましたが、どのように違うのですか

A3.

 関税とは輸入品に課される税のことで、国内法に基づいて定められている国定税率と、海外との条約に基

づいて定められている税率に分けられます。


• 国定税率

基本税率・・関税定率法により定められている基準となる税率

暫定税率・・内外の経済状況を反映して基本税率を修正したもの

特恵税率・・開発途上国からの輸入品に対して適用される税率で、先進国からの輸入品に対する税率より低く設定されている。

簡易税率・・入国者の携帯品、別送品、少額輸入貨物(関税価格の合計が10万円以下)の輸入品に適用される税率

 

• 条約に基づいて定められている税率
協定税率・・WTO加盟国・地域からの輸入品に適用される税率

経済連携協定(EPA)に基づく税率・・EPAを締結している相手国からの産品を対象とした税率

 

上記税率の適用順位は、原則として、

①EPAに基づく税率 / ②特恵税率 / ③協定税率 / ④暫定税率 / ⑤基本税率

となっていますが、②は適用に一定の上限が設けられており、③、④は、定められていない場合もあります。

また、③が他の税率と同じもしくは高い場合は、④または⑤が適用となるなど、さまざまな要件がありますので、その都度ご確認ください。

 

なお、関税は、輸入品の価格(CIF価格=商品代金:Cost+保険:Insurance+運賃:Freight)にかけられる「従価税」が一般的ですが、この他にも容積や重量などに対してかけられる「従量税」や従価税と従量税を組み合わせた「混合税」があり、品目によりこれらが適用される場合があります。

Q4.

FOB、CIFという用語は貿易でよく使われますがどのような意味ですか

A4.

FOBもCIFも、「インコタームズ」という貿易条件(Trade Terms)の一つです。「インコタームズ」とは、国際商業会議所(ICC)が貿易条件の解釈に関する国際規則として制定した解釈基準のことで、4類型13種類の貿易条件があります。各条件で決められているのは、輸出者から輸入者への貨物の引渡し条件、リスクの移転時期、運送・保険等に関する両者の義務、諸費用の分担などです。FOBとは、Free On Board(本船渡し条件)のことで、荷物を輸出通関後に船か飛行機に積むまでの費用を売主が負担します。買主は、輸送手段と輸送保険を手配し、費用も負担します。CIFとは、Cost, Insurance and Freight(運賃保険料込条件)のことで、売主が輸送手段と輸送保険を手配し、支払いをします。

Q5.

      国内で仕入れた商品を輸出します。仕入れの際にかかった消費税の還付方法を教えてください。

A5.

I. 国内から輸出される資産の譲渡または貸付けを行った場合には、消費税は免除されます(消費税法第7条)。輸出のための仕入商品に課税された消費税、および輸出業務や事業のために支出した諸経費への国内消費税は、所轄の税務署長に還付申請し還付を受けることができます。還付申請の概要と手続きは次のとおりです。


1. 消費税課税事業者
消費税の還付を受けるには、消費税課税事業者であることが条件です。 消費税課税事業者は改正消費税法で次のように定義されています。                

  1. 事業年度の前々事業年度(基準期間)における課税売上高が1,000万円を超える法人事業者
  2. 前々年の暦年(基準期間)における課税売上高が1,000万円を超える個人事業者

既存の消費税課税事業者は、所轄の税務署長へ「消費税課税事業者届出書」を提出します。また、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の免税事業者や新設会社のために売上実績のない法人事業者および個人事業者が課税事業者として還付を受けるには所轄税務署長に「消費税課税事業者選択届出書(第1号様式)」を提出します。

2. 消費税の還付申請書類

  1. 法人課税事業者
    課税期間の末日の翌日から2カ月以内に下記書類を所轄税務署長へ提出し還付申請します。
    i. 「課税期間分の消費税および地方消費税の確定申告書」
    ii. 「仕入控除税額に関する明細書(法人用)」
    iii. 「付表2 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算書」
  2. 個人課税事業者
    課税期間の翌年3月末日までに下記書類を所轄税務署長へ提出し還付申請します。
    i. 「課税期間分の消費税および地方消費税の確定申告書」
    ii. 「付表2 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算書」
  3. 消費税課税事業者が輸出取引と国内取引を併営している場合
    還付消費税と納付消費税が発生します。その還付税額と納付税額は上記の「課税期間分の消費税および地方消費税の確定申告書」の中で同時申告され、還付税額と納付税額が相殺されます。諸費税課税事業者はその差額を還付分として得る、もしくは納付します。

3. 消費税の還付申請時期
一般の法人課税事業者は事業年度の課税期間に対する「事業年度分の消費税の確定申告書」による税務申告の際に上記書類を税務署長に提出します。個人課税事業者は暦年の課税期間に対する「事業年度分の消費税の確定申告書」による税務申告の際に上記書類を税務署長に提出します。輸出専業や輸出比率の高い課税事業者の場合は、税務署長に「消費税課税期間特例選択・変更届出書(第13号様式)」を提出すれば課税期間は1カ月または3カ月ごとに短縮され、1年に12回または4回の還付申請ができます。


II. 輸出免税の適用を受けるためには、輸出取引等の区分に応じて輸出許可書、税関長の証明書または輸出の事実を記載した帳簿や書類を整理し、納税地等に7年間保存します。それにより、その取引が輸出取引等に該当することの証明が必要です。
なお、各届出書は税務署で入手でき、また申告書の書類などは申告時期前に税務署から送付されます。また、上記手続きは電子納税申告システム「e-Tax」を利用して行うこともできます。


III. 控除不足還付税額のある還付申告書を提出する場合、「消費税の還付申告に関する明細書」を添付する必要があります(平成23年度改正後の消費税法施行規則第22条3項)。同明細書には、従来の「仕入控除額に関する明細書」の記載事項に加えて、課税資産の譲渡や輸出取引にかかわる項目等も記載します。
新様式(第28-(8)号様式、第28-(9)号様式)および記載要領等は国税庁ウェブサイトで確認できます。また、所轄の税務署でも入手できます。

ご不明な点はご質問をお寄せくださいませ。